
番頭でござんす。今日はちょっと景気の良いお話しから。
宜興紫砂のお値段、オークションで過去1千万元(日本円換算で約1億5800万円)を超えた出品というのが過去に22作あるんですって。↑の画像の石瓢は28,175,000で落札されたんだそうな。4億4500万円の急須…ちなみにこれが歴代5位。1948年顧景舟さんの作。
本日ご紹介する史上最高値はこちらの「松鼠葡萄」茶壺、それにぴったりマッチする茶海、さらに茶杯x4,茶托x4がついたお得な10点セット。お値段は驚きの89,600,000…ええと日本円換算だと14億1500万円。円高でよかった、なんつうレベルのお話しではありません。こちらも顧景舟さんの作。1959年のものでございます。
実のところ、千万超えの22作品のうち、16作が顧さんの作品。他に清代の名人陳鳴遠さんや明代の時大彬さんの作品も入っていますが、なんつうても顧さん、20世紀の「現代作家」さんでまだ没後20年になるかならないか、というくらいの人です。 ま、何にせよ億の単位になると一気に現実味がなくなるので、番頭にとっては「へえ、茶壺って高いのね」とか「中国の金持ちってケタが違うのね」くらいにしか感じません。
どうも中国人というのはオークションがお好きなようで、茶器もお茶も展覧会や見本市以上の頻度でオークション(拍賣)が行われるようです。 写真は今年のプーアール生茶「昔帰」のオークションの様子です。
メインは「昔帰茶王」という、古樹の中の古樹、みたいな木から採られた茶葉です。他に曼崗単株というこれまたお高い昔帰の茶葉なども出品。
熾烈な競り合いの末、昔帰茶王を落札したのは武漢からお越しのお茶愛好家の韓女士。666gの茶葉の落札価格は100,000元。日本円で約158万円っすな。何か茶壺の億の話題の後なんでアレですが、これはこれですごい金額です。番頭にはむしろ実感の湧かない億単位より、こちらのほうがびっくりします。
茶王、とはいえ昔帰のお茶は冰島や老班章に較べるといくぶん値頃です。しかも今年の新茶で、ビンテージものでもないですし。って事は冰島あたりの一号古樹の年数経ったのとかって幾らくらいすんでしょうかね。
つう事で今日はお高いお話でした。
次回はガラリ正反対の「お安い」お話をお送りいたしますです。