楊さんの茶壺です。
ご自慢の勝負土の豆清砂を使った「漢瓦」。
ダルマ落としの下の段のようなどっしりとした愛嬌のあるフォルムをしています。 楊さんのオリジナルのデザインではなく、漢瓦壺は井欄や石瓢などと並んで曼生18式という茶壺の伝統的な形状の一つです。
漢瓦壺の一番の特徴は蓋の意匠です。 太鼓橋のようなブリッジがかかっていて真ん中に穴が開いています。
モチーフになっているのは「漢瓦」という、漢の時代に屋根を装飾した瓦らしいす。「秦せん(石へんに専)漢瓦」という、秦・漢の時代を代表する文化のアイコンのようなものです。蓋のブリッジが屋根瓦、という事なんでしょう。
容量は約240ml。どっしりとした形状なので見た目より入ります。口が大きいので茶葉の出し入れもスムース。場所を取らず、かつ出っ張りやへこんだ部分が無いフラットな形状なので持ち歩きにも適しています。まあ240mlの茶壺を持ち歩く事はそうそう無いようにも思いますが。
伝統的形状につきもののお約束事はしっかりと踏襲しながら、その姿は愛嬌たっぷりで親しみやすいです。稀少な豆清砂を使ったやや大ぶりな茶壺ではありますが、近寄りがたさや付き合いにくさは感じられません。
茶荘には昨年一つ入荷しましたが、お客様のご要望によるお取り置きだったので、実質今回が初お目見得です。手に取ってご覧いただけますので茶荘にてお確かめ下さい。
可愛いけど240mはちょっと…という方には小ぶりでお値頃な朱泥の漢瓦もございます。