この看板が出ると「ああ、もう盛夏だな」と実感します。
毎年の事ながら、出店者さんも猛暑の中大変です。
さて、今日は夏のお茶の注意事項なぞ。
暑い時こそ熱いお茶でさっぱり、というのは先人の知恵です。今では反対にエアコンで冷える手足の先を温める為にオフィスでは熱々の岩茶を飲んでます、という方も多いようです。何にせよ、ちべたい水出しも熱々のお茶も喉の渇きを潤し、水分を補給してくれるという点では同じです。
ただ、そこにはちょっとした引っかけつうか、盲点があります。
お茶に限らず、水分を沢山摂取する時に注意しないといけないのが「もうこれ以上飲めない」というリミッターがかかる場合と「何か喉が渇かない」というロックがかかる場合です。
飲み過ぎてお腹がタプタプになる、という場合もあるでしょうが、このリミッターとロック、共に「塩分不足」が原因かもしれません。
人間の体液には水分の中に塩分やミネラルなんかが溶けています。言わずもがなですが、汗がしょっぱいのはそのせいですね。 それでなくとも汗をかく季節に、それ以上の発汗を熱いお茶で促しながら、塩分の入っていない水分(=お茶)を体内に送り込むのですから、当然体液の濃度が下がります。そうすっと脳が「あれれ、何か薄まってんぞ、やべえやべえ」とばかりに口や喉を始め関係各位様宛に信号を送ります。結果として「もう飲めません」や「喉が渇きません」になります。本来は失われた水分や塩分を補給しないといけない時に「要らない」になってしまい、結果としてお茶を飲みながら脱水症状が出てしまう、という事もなくはありません。
「自発的脱水」ていうんですって。
そこで「お茶請け」、です。スポーツドリンクじゃないんで、お茶に塩や砂糖を溶かして飲む、というのは現実的ではないので、お茶と一緒に何か口にする、というのが解決策になります。
お茶屋としてはあくまで「お茶ありき」で考えるのであまりお茶を味わうのに影響する強い味のものはお薦めできないんですが、まあお手近にある薄らしょっぱいものであれば何でも良いと思います。脱水症状はともかく、お茶が飲めないなると辛いんで。
番頭の今朝のお茶請けは人形町の老舗「ハマヤ」さんの佃煮。昆布と海老。海老はアレルギーでるんでほんの少量。 ハマヤさんの佃煮は甘さ控え目ですが、佃煮あたりは塩分と糖分が両方摂れて、しかもお茶にも合うので打って付けかもしんないす。
評茶の最中はお茶の味が最優先なので他の物は一切口にしない小梅さん。
長い評茶が終わると慌てて塩分や油を摂ります。塩分濃度の回復と胃壁の保護、つうのを無意識にやってるみたいです。何とかカルパス、みたいな一口サラミなんかがいいみたいす、そういう時は。
夏場のお茶。
何かつまみながらのほうが楽しめるのではないか、と思います。
夏場に限らず、ですが夏場は特に。