ハッピーマンデー!番頭でっす。
千鳥足台風の影響で午後から雨風が強くなる地域もございます。お出かけの際はお気を付けて。屋根とか田んぼとかは台風が通り過ぎてからゆっくり確認して下さいまし。
「天青泥」という、宜興の茶壺の原料があります。「紫泥」「紅泥」「緑泥」「清水泥」…宜興の陶壺には様々な「土」が使われています。「土」というか、原材料は「石」に近い、鉄分を多く含む硬いものです。 それらの土は更に細分化され、稀少なものや色・肌合いの特別なものは珍重されます。清水泥における「底槽清」、紅泥における「朱泥」「大紅袍泥」などがそれにあたります。
天青泥はそんな特別な土の一つです。
「薀雪」という名の茶壺です。焼く温度によって変わりますが、この茶壺の天青泥は黒と緑の合わさったような深みのある暗色の中に、藍のような青色が明るさを与えているような独特の色合いです。「青み」というのは自然界ではあまり多く存在しない色で、茶壺の原料である土でもそれは同じです。
天青泥は「蔵青灰泥」とも呼ばれる青灰泥の一種で、文革時代に台西井という坑から多く採掘された土で、残念ながら現在は採れない、との事。枯渇した、というように表現されています。ううむ、このあたりの正確なところは知る術が無いっすねえ。雲母、石英を多く含み、張力の大きい土だそうです。
ともあれ、貴重な土である事は間違いないようですが、その稀少性を抜きにしても、わずかにブルーがかった落ち着きのある色合いとしっとりとした光沢の肌合いはシンプルなデザインの茶壺に特に合いそうです。
収縮色なので大きな茶壺も締まって見えます。この薀雪壺は300mlですが、見た目には大きさを感じさず、持てあます感がありません。
こちらの潘壺は310ml。 下ぶくれの可愛らしいフォルムですが、たっぷり入る大ぶりな茶壺です。極めてオーソドックスな形状で書や画の装飾もありません。あっても合いそうですが、シンプルなほうがより深みのある色合いが生きるかな、という感じです。
どちらも楊さんのアトリエから小梅さんがけっこう強引に分けてもらってきました。ので、一点ずつですが、両壺とも茶荘の棚に並んでございますので、お気軽にお手に取ってご覧下さいませ。