本日は6時過ぎに閉店いたします。ご不自由をお掛けしますがご了承下さいませ。ハッピーマンデー!番頭シブブレ。
「毎朝何時に来てるんですか?」「何でムダに早いんですか?」「早く来て何してるんですか?」といったお尋ねがけっこうあるのでお答え致します。
1)トシだから; 開店当初は8時すぎに出勤しておったのですよ。年々ね、加齢とともにアレですわ。
2)開店準備にそこそこ時間がかかるから; 前の晩下ろした茶壺を棚に並べるだけでもけっこう時間がかかるのですよ。毎日の事だから辛くはないですけど。
3)お茶飲むから; お茶屋ですんで。
で、今朝の3)は貴妃茶です。二線級とはいえ、いちおうお茶屋の番頭ですんで最低限自分の店で扱っているお茶については飲んだ事が無いのは論外としても、一度は小梅さん頼みではなく自分で淹れて飲みます。一度ならず、「最近淹れてないなあ」というお茶はお客様の試飲を待つことなく、朝の早い時間に一人で飲みます。「飲みたいお茶」を選んでばかりいるとどうしてもお茶の種類が偏ってしまうので、意識して茶葉は選ぶようにしてます。貴妃茶が嫌いって訳ではなくむしろ好きなお茶の一つなんですが。
茶器も然り。紫砂茶壺、蓋碗、ガラス茶壺、鑑定杯。お茶を飲む目的に沿って選ぶ場合もありますが、そうでない場合は時には普段使わないような茶器を組みあわせたりします。お察しのとおり練習です、ええ。もともと結構なぶきっちょなので悪戦苦闘しても誰も見ていない早朝を選んでやってます。今だに蓋碗はアチチになったりします。
さて、そんな中選ばれた貴妃茶は台湾凍頂産の烏龍茶です。 東方美人と同じように、ウンカの噛んだ葉を高発酵・焙煎で製茶したお茶です。それほど歴史は古くなく、作られ初めてからまだ20年経つか経たないかくらい。台湾大地震や台風の直撃で道路が不通になって手入れが出来なかった放置茶畑で結果として無農薬で大らかに育った茶葉にウンカがついて偶然に…なんて説明を聞きましたが、凍頂の茶農さんが東方美人茶の技術(主に発酵)を勉強して作ったというのが実際でしょう。ともあれ、東方美人茶とコンセプトは一緒です。
味わいもマスカット香が強く、果実の爽やかさを発酵&焙煎の香ばしさがキリリと締めているという感じのお茶です。 ブルーベリーガムの噛み始めじゃなくてちょっと噛んだ後くらいの味や香りに似ています。
香りを引き立たせる為に磁器で高温で淹れましたが、東方美人に較べると香りがだいぶ大人しいかな、という印象です。そのぶん苦味や渋みが少ないので飲み口は良くなっています。岩茶だと奇蘭がすこし近いかな、というフルーティな台湾茶です。番頭にとってはゆっくり腰を落ち着けて飲む、というよりアツアツをふうふう飲んで さあ仕事しましょ、って感じのカジュアルなお茶というイメージです。
お茶請けは乾き物。大連のおみやげです。カワハギかしらと思ったら「細紋獅子魚」だそうです。獅子魚つうのは日本でいうところのミノカサゴ、だそうです。
お茶飲んだら棚に茶器を並べて開店です。