
小梅さんから電話がありました。
「歴程と千家封を淹れて写真を撮って下さい。わたしはパオヅを作ります。」
なんだそりゃ。

逆らってもしょうがないしどのみちお茶は飲むんで言われた通りにお湯を沸かしつつ写真を撮る番頭です。小梅さんのイヌと呼んでください。

歴程はこちら。もうすっかりお馴染みになったプーアールの熟茶です。有名な中茶牌ブランドの60周年を記念して作られた商品です。高圧でプレスされたレンガ状の※茶(※は石へんに専)です。みっちり圧縮されているので見た目よりかなり重く、約500gあります。

千家封は雲南省思茅地区産の生茶です。 熟茶と違い麹菌による強制発酵をしないのでゆっくりゆっくり経年とともに後熟していくお茶です。 伝統的な茶餅より一回り大きく、約400gありました。「した」と過去形なのは熟茶生茶ともに時間が経つにつれ乾燥するためいくぶん軽くなるからです。

こちらは歴程。適当な大きさまで崩した茶葉を適当に見繕って5グラム。濃さの好みや淹れるペースなんかで異なりますが、5グラムあると大体1.5〜2リットルくらいの熟茶が出来ます。
歴程はもともと割とさっぱりとしていて、ちょっと角のあるようなシャープな味わいでした。2011年のお茶なので5年が経ち、新しい熟茶に感じられる発酵臭も抜けてだいぶなれてきた感じです。もともとの味の強さにまろやかさが加わって樟香と棗香の中間、みたいな良いとこ取りのお茶になりました。圧縮の強い分、ほぐれるまでやや長めに抽出し、ほぐれたら短い時間で、煎をおう毎にまた長くしていく、という感じで淹れていきます。熟茶はアツアツが基本、グラグラくらいの熱湯で淹れます。

かたや千家封。 同じく2011年のお茶です。 熟茶と生茶の違いこそあれ、歴程とは同い年で同じようにもともとはややシャープな味わいの葉っぱです。ふくよかさというよりは爽やかな飲み口がウリの、ちょっと雲南緑茶にも似たスパイシーな味わいのお茶でしたが、去年あたりから熟成による味わいの深い味と滑らかさが出てきました。お茶の色も黄色から大分赤みのついた橙色に変わってきました。生茶の成長のスピードやペースは千差万別ですが、千家封は比較的早熟なタイプのようです。 基本的には熱湯で大丈夫ですが、グラグラからちょっとお湯の表面が落ち着いたあたりまで一息待って淹れるのがベターです。最初の煎は20秒くらい、かなり意識的に短めで出したほうが甘みと飲みやすさが増します。

ほっこりした熟茶、すっきりとした生茶。もちろんそんな簡単には色分け出来ませんが、飲み比べて違いを味わうとそれぞれの持ち味が楽しめます。 クセが無く飲みやすい上に、かなり煎が続きますんで、いっぱい作ってゴクゴクお飲みいただけます。

今日は小梅さんに言われるままに茶壺で淹れましたが、大きなティーポットでいっぺんに作っても美味しいです冷めても美味しい、って持ち味もございますし。
今日のキーワードは『ク』!何だよそれ。
歴程は1枚約500gで5,400円、千家封は1枚約400gで同じく5,400円。どちらもコストパフォーマンス抜群のお茶でございますが、小梅さんが更にお買い得な何かを考えてるようです。帳場を預かる番頭は戦々恐々です。本夕または明日あたりにご案内できるかと思います。くわばらくわばら。