「茶摘みは18日から21日」、凍頂の劉さんからそう連絡がありました。順調にいけば今朝が初日、という事になります。
例年、春茶の茶摘みと製茶には立ち会っていません。一つには小梅さんが一人しかおらず、雲南や武夷山に行かないといけないからです。もう一つ、冬茶と比較して量も出来も安定している春茶は、劉さんに出来上がりのサンプルを送ってもらい、それを評茶してから返事をしても何とか間に合うからです。通常3ないし4ロットの茶葉が無記名で送られてきます。それを一気に評茶してどのロットをどれだけ買うか、というのを決めます。立ち会わなくても済むシステムがちゃんと構築されているのは本当に有り難いです。
ここ数年、台湾の春茶は決して天候に恵まれたとは言えない状況が続いています。そこを何とかするのが茶農さんの腕の見せ所…とはいえお天道さんは強敵です。茶葉の生育する時に必要な日照も勿論ですが、採茶の時の天気にもお茶の出来は大きく左右されます。
採茶=お茶摘みの後の最初の工程です。 天日干し、ですね。日光萎凋、あるいは晒青と呼びます。「萎凋」の名の通り、日光に晒す事で茶葉から水分を奪い、発酵を促します。 半日くらい出しっぱにするのかな、なんて想像してましたが晒す時間は思ったより短いです。天気が良いとあっという間に摘み立ての茶葉がしなしなになります。 晴天であればこの作業の後に室内萎凋へと進みます。逆に言えば、天気が悪ければこの最初の工程が出来ない、という事になります。 今亡き文太アニイに言われるまでもなく、ソーラーパワーつうのは人工的なライトや温風器などとは比べものにならないほど強力かつ優秀ですんで、この最初の工程が出来るかどうかは茶葉の出来に大きく影響します。
凍頂の郷、鹿谷郷のある南投縣の天気です。実際には南投市は名間郷をはさんで鹿谷郷からはかなり北、標高も低い「平場」の町なので鹿谷郷の天気とは必ずしも一緒ではありません。とはいえ大体の予報はこれでつかめます。。。前途多難っすね。 早朝の天気が比較的良い今日を茶摘みの初日に辛うじて設定しているあたりは劉さんの茶農としてのヨミなのか、神のご加護でしょうか。
ピンポイント、鹿谷郷の本日の天気はこんな感じです。もちろん茶農さんはもっと細かく専門的な気象図をもとにスケジュールを決めて行くので、番頭が心配するのもアレですが。採茶と晒青は辛うじて良いコンディションで出来そうかな、つう感じです。あとは茶葉の生育具合…これも番頭がどうこういう筋合いのモンではないです。
明日は…お休みかしら。
ともあれ、このペースだと来週後半くらいにはサンプルが届きそうです。楽しみでもあり、おっかなくもあり。
いざっ。