明日は11時より5時まで営業いたします。
お茶を淹れています。
当たり前っちゃそうですが一人で留守番の時は自分が淹れないと永遠にお茶が飲めない、という非常に困った事になります。幸いお茶屋なのでお茶を淹れる環境は常に整ってるんですが、何か自分の為だけに淹れるってのはモチベーションが上がらんのですよ。
何らかの動機は…って事で見回すと、小梅さんが武夷山から持って帰ったサンプル袋が目に入りました。中には当然のことながらお茶がたくさん。袋の表には暗号のように短く何か書いてあります。たいてい茶葉の種類とどこからもらってきたサンプルか、とかが書いてあります。その中から「105 XYZ」と書いてある小さい袋を引っ張り出しました。 XYZと実際に書いているわけではなく、ここの部分は漢字文字です。105というのはご存じ黄観音の別名つうか開発コードみたいな記号です。なのでこの袋の中身は黄観音ですよ、って事だけはとりあえず判明。
あれれ、黄観音ってこんなにでかかったっけ? 緑色が強く赤みがあまり目立ちません。毛茶かな、とも思いましたが、一応焙煎は軽めにはしてあるようです。ちょっと色合いが不揃いなのが気になるところではあります。
茶荘の現役黄観音と比べてみましょう。謎のルーキーと比べると茶葉が小ぶりで焙煎による赤みがしっかり出ています。茶荘の黄観音はそれでも焙煎が軽と中の間くらいで決して強くはないんで、ルーキー君がそれだけ焙煎が軽いか、あるいは発酵が浅いかという事になります。
淹れてみました。
うわあ、黄観音の香りだあ。。。当たり前か。 茶葉本来の自然の香りとは思えないほどの花香がふわあっと鼻にきます。ジャスミン茶のような強さです。 同時にすっと爽やかな青っぽい香り。焙煎は軽いながらもしてあります。 こうして書くとすげえ優秀な「売りやすい」お茶のようにも思えますが、何かどこか腑に落ちないというか、腹に入らないお茶、のような印象を受けます。 いえね、売れれば文句はございませんのよ、あきんどですもの。ただ、何つうんですかね、もしこれが今年のウチの黄観音です1って言われたら自信を持ってお客様にお勧めできるかなあ、とちょっとだけ「?」が残るお茶のような気がします。
首を傾げながら何煎か飲んで葉底を引っ張り出しました。 発酵かあ。葉のフチの赤みを診る限り、発酵が浅いというか、バラツキがあるように感じられます。漠然と番頭なりに感じた物足りなさはたぶん発酵がちょっと浅くて、その為に味にまとまりが感じられなかったからのようです。 華やかな香りは十二分に合格点を上げられるんですが、これはちょっと…というか発酵が足りないお茶を小梅さんが選ぶとは思えないんで、これはどうやらサンプル止まり、の黄観音のようです。
…とまあここまでがノーヒントで飲んで見た番頭の能書きです。答え合わせは小梅さんが茶荘に戻ってから。当たってるといいな、60点でもいいから。