ハッピーマンデー!番頭でっす。
今週末からは大寒。言葉にするのもシャクなくらい、寒い日が続きますねえ。
不思議と飲みたくなるらしく、毎年この時分に小紅袍について書いています。あ、小紅袍です今朝のお茶は。
大紅袍の下位互換、みたいに思われる事も多いようですが、大紅袍とは全く異なる品種です。植物としてだけではなく、味や香りの特徴も大きく異なります。
かなりフルーティな岩茶なので夏場の暑い時期のほうが飲みたくなっても不思議ではないのですが、焙煎がしっかりしてるんで寒い時でも美味しくいただけます。
2011年のお茶です。「やんちゃなプリンス」というニックネームの通り、茶荘に来た時には安定感の全くない、美味しく入る時とそうでない時の差がハンパない暴れん坊でした。なまじ上手く淹れられた時の美味しさが凄い分、そうでない時にはかなり精神的な痛みを伴う、そんな困ったちゃんでした。
6年ちょい経って大分落ち着きました。というか、その間も年々歳々あっちこっち尖った味わいに丸みが加わり、才気に経験を加えながら小紅袍は美味しくなり続けています。もっとも当の本人にしてみれば別に美味しくなろうと意識をして研鑽している訳ではないでしょうけど。
途中に何回もお手入れを加えながら、今朝の小紅袍は一年前の小紅袍より一年ぶん美味しくなっていました。持ち味であるマスカットのような果実香と、中火(中焙煎)の香ばしさがうまい塩梅で…相乗効果っていうんでしたっけ、こういうのは。奇蘭、紫紅袍しかり、この手のフルーティなお茶は中くらいの焙煎で仕上げると一番持ち味が出るようです。
奇蘭のようなスパっとした切れ味の良さと、紫紅袍のどっしりと厚みのちょうど中間あたりのバランスの取れた味わいと、7年近い年月が醸し出した円やかさが楽しく、そして美味しいお茶です。小梅さんの言う「この値段で飲める岩茶ではないです」というのも何となく理解できます。
いつ飲んでも美味しい筈の出来の良い小紅袍ですが、こんだけ毎年同じ時期にブログに書いているところを見ると、どうもこの時期に飲むには一番ぴったりな岩茶なのかなあ、とちょっと首を傾げつつ美味しくいただきました。 焙煎籠のお茶(たぶん今日も人形町)の天地を返したら開店準備です。