緑は緑だろうよ。ごもっともでございます。番頭またぞろご乱心、って訳ではございません。まあお聞きを。
色としての青というのは他の色、例えば赤や緑、茶色などと較べ自然界に決して多く存在していません。なのに何故か青、という単語はよく使われます。
ベタな例ですが「青りんご」は青くなく、「青信号」も厳密には青色ではありません。どっちも日本語では緑色、と表現されるべき色です。
英語では青リンゴはグリーンアップルですし、信号の「すすめ」はグリーンです。
どうも日本語において青はかなり広範囲にさまざまな色や物事の状態を表しているようなんですね。
お茶の世界においても同様でして、青い、というのは色々なシチュエーションで使われる表現です。しばしば正反対の意味で。どっちかというと悪い意味(ネガティブ)に使われる時には「青い」は『未成熟な』『基準に達していない』ような意味合いを持ちます。茶葉でいうと「青臭い」「未完の」といった類いです。「ケツの青い」「青二才」なんかと似たような使われ方っすね。反対に褒め言葉(ポジティブ)に使われる時には『フレッシュな』『清冽な』的な好意的な意味合いを持ちます。この場合の青いはお茶の場合は色で言うと「緑」の意味です。紅茶の世界で使われる「グリーニッシュ」が青い、で「ブルーイッシュ」ではありません。スポーツの世界で新人をさす「グリーンボーイ」なんて呼び方は青二才とフレッシュ、ポジティブとネガティブの両方の意味合いが混じった言い得て妙な表現かもしれません。もうすぐ新茶の季節。ポジティブに青くてネガティブな青さの無いお茶に今年もたくさん会えますように。ま、左下の17がはっきり見えちゃう番頭が青色の事を語るのもアレなんすけど。