8時過ぎとは思えない明るい日差しの火曜日になりました。この後午後か曇り始めて、明日明後日は雨の予報。「良いお湿りで」なんて挨拶も交わしてしまいそうな、そんな初夏にぴったりのお茶、と言えば…
定番中のド定番、岩茶の奇蘭でございます。
このお茶がどんだけこの時期この陽気にぴったりかというのは、過去3年、
2015年5月に「夏、奇蘭。」、
2016年5月に「夏、奇蘭。」、
2017年5月に「立夏、奇蘭。」つうほぼ同時期にほぼ同じタイトルで書いている事からもお判りいただけるかと思います。
なんすかね、この時期になると無性に飲みたくなるお茶なんですね、番頭にとっては。
去年の
「立夏、奇蘭。」で奇蘭の茶摘みと製茶について書きました。で、今朝飲んだこの↑の茶葉はその時の奇蘭です。
茶荷の茶葉を一通り眺めたら、外側と内側をお湯でしっかり予熱した茶壺に入れます。サクサクって感じに茶壺を軽く揺すったら中の茶葉の香りを楽しみます。奇蘭はその独特なフルーティな香りと、ややしっかり目に入った焙煎の火香という二つの香りも持ち味の一つなので茶壺の中の香りもご馳走です。
もっと焙煎が軽めで青っぽさも楽しい雀舌や白瑞香に対して、奇蘭は中火くらいに火入れしたほうが味や香りが際立ちます。
全てに当てはまるわけではないですが、黄観音や金牡丹といったフラワリーな岩茶はより軽めに、奇蘭・小紅袍・紫紅袍あたりのフルーティな岩茶はややしっかり目に焙煎を入れるのがセオリーのようです。
香ばしくてフルーティ、って表現はあんまり他の食べ物や飲み物では使わないんでちょいと違和感はありますが、奇蘭のそれは正に香ばしくてフルーティそのものです。
番頭のスッカスカの引き出しには奇蘭に近いものとしては「昔のフーセンガム」くらいしか見当たりません。ホレあの黒いネコの画が描いてあった低反発枕みたいな形した安いガム、あれです。
奇蘭の持ち味は水出しにしても遺憾なく発揮されます。左が水出し。低温抽出でカフェインやタンニンに由来する「深み」が出にくい分、かえってそのフルーティな持ち味に全振りしているような印象すらあります。水出しティーバッグは今年は新たにジャスミン茶という強敵がデビューしましたが、どれもそれぞれに人気のある6種類の中でも奇蘭は相変わらずトップの座に君臨しています。なので水出しのイメージが強くなりがちですが、どっこい暑い時期に熱い奇蘭、ってのもそれはそれは美味しいのですよ。
25g, 50gの袋、水出しのティーバッグ、4種類入った岩茶のお試しセット。どの奇蘭も数年に一度の上々の出来だった昨年の茶葉です。どれもリーゾナブルなんでちょいと試していただける、そんな気軽で美味しい岩茶です。
水出し、あったかいの、ともに茶荘にてご試飲いただけます。お気軽にお申し付け下さいまし。
ラベルの色のせいすかね。アジサイの昨頃になると飲みたくなるんですよ、奇蘭。