
小梅さんはきのうの3時過ぎ、無事に茶荘に戻って参りました。
いつもだとこの時間に帰るとうきなり荷ほどきもそこそこに試飲を始め、嫌になるくらい連呼しても中々帰ろうとしない小梅さん。昨日は珍しく最低限の荷ほどきだけ済ませて自発的に帰ってくれました。やれやれ。

トシのせい、って書くと怒られそうなんでアレですが、それだけ今回のお茶の旅は短期間にギュっと詰まったものだった、という事です。
毎日がっつり動き回ったせいか写真もほとんど撮らず。スマホのカメラの設定をいじってしまったらしく、静止画のつもりがごく短い動画になってたりもしたので尚更です。

詳しい話は試飲をしながら聞くとして、まずは今年の岩茶の概要はつうと…
「あまり良くなかったです」との事。茶農さん目線ではなく、バイヤー目線での「良くない」って意味です。簡単に言っちゃうと是非欲しい、って茶葉は仕入れたところで「誰にいくらで売るんすか?」ってな高値ですし、商売になりそうな値段のものは小梅さんの設けた味のハードルを中々超えて来ない、って事です。

ま、そんな中でも「これなら」という岩茶がいくつか見つかったようです。
取り急ぎ小梅さんは買ったもの、買えなかったものをサンプルとして持ち帰りました。大きな袋だと1斤(500g)にはなろうかという量なのでサンプル…にしてはかなり多めです。祝先生のご厚意で頂戴したものもあれば、勉強用にと拝み倒して1斤もしくは半斤で買ってきたものもあるみたいです。

何せここ数年天井知らずで上がり続ける岩茶。特に名のある産地のものは手も足も出ない高値がついています。茶農さんが因業で強突張りなのではありません。「今年のここの畑の肉桂全部を斤2万元で買います」的なオファーがあればそっちに売るのは至極当然なので。で、実際祝先生のようにバイヤーさんとチョクで付き合っている昔ながらの茶農さんにはそういうオファーが多いようなのです。ま、そこいらとケンカしてもしょうがないんで、今年は小梅さんがかなり品種と量を絞りました。幸い当たり年の昨年にかなりちゃんとした買い付けが出来たんで今年はのんびり構えていましたし。

そんなこんなでサンプルの岩茶が売る程来ました…非売品だけど。
大きさもデザインもまちまちな袋。例によってほぼ全部に「大紅袍」の文字が見えますが、たぶん大紅袍はあっても1袋くらいです。汎用品の袋はいまだにこんな感じです。
袋には中身が書いてあります。番頭には貴玫瑰以外なんのこっちゃさっぱり判りませんが、小梅さんは見ただけで中のお茶の品種や畑の場所等の情報が大体わかるようです。番頭もよく使われる略号、例えばRGなら肉桂、DHPは大紅袍、QLは奇蘭、204が金観音…くらいは覚えましたけど「G・3」とか「H・4」が何を意味するのかは想像も付きません。知らぬ間に家のドアの横にこんな符号が書かれている時は訪問販売か空き巣の仕業らしいすけど。

リサイクル。どうやら通い袋のように何度も使い回しているようで前に入っていた茶葉の情報が消してあります。「8号 肉桂…」こんくらい判りやすく書いてくれると助かるんすけどね、番頭的には。ま、試飲の時に判る事ですんでひとまずしまうとしましょう。