
今朝のお茶は凍頂冬茶の焙煎したもの。
南投縣鹿谷郷永隆村の劉さんの手によるものです。

なんて勿体ぶって書きましたが、小梅茶荘の凍頂烏龍茶は春茶であれ冬茶であれ全て劉さんの茶葉を劉さんが製茶したものです。それこそ開店以来ずっと。
今朝のお茶は今冬の茶葉、いわゆる新茶です。焙煎をしていないほうの冬茶は11月の下旬に出来上がって来ましたが、焙煎茶は12月の半ばになってしまい、福袋のてんやわんやとモロに重なりました。なのでちゃんとご紹介する時間はおろか、ゆっくり飲む時間が取れないまんま年を越してしまいました。
時間がかかったのはじっくり焙煎したからです。
画像からも見てとれる通りに焙煎がかかっています。これでも昔ながらの凍頂烏龍茶としては「軽火」(軽焙煎)です。

劉さんの茶業は炎助というウソのような出来すぎた劉さんのファーストネームをそのまま使っています。炎の申し子…なんかそう書くとカッコ良いっすね。看板にもあるように、もともとは昔ながらの炭焙茶を得意としています。

真面目の国の畑に真面目の種を植えて真面目を栽培してる、みたいな実直な劉さんは「お任せ」で焙煎してもらうととても真面目に焙煎したお茶を作ってしまいます。時間と原価がかかってもまあいいや、という時でないと今回のようなタイムラグが生じます。ただ、その分時間と労力をちゃんとかけた美味しい焙煎茶が出来上がって来ます。
この冬の焙煎茶はそんな劉さんに「お任せ」した焙煎茶です。

そんな劉さんと、対照的に明るく元気の良い肝っ玉奥さんが丹精込めて作ってくれた焙煎茶。せっかくなんで大ぶりな茶壺にたっぷり茶葉を入れていただきます。

予熱はしっかりと。この時期は茶器も茶葉も冷えているので、両方ともしっかり温めていきます。茶壺の予熱は外→中で、冬場は特にご注意を。烏泥の倒把西施壺はかなり量が入るので時間がある時か、よっぽど喉が渇いている時でないと一人では持てあまします。

軽火というだけあって、赤みはそれほど強くない茶水色です。飲んでみるとあら不思議、香ばしい火香がしっかりと味わえます。といっても焦げっぽさはなく、クリアな香ばしさなので喉に引っかかる感じがほとんどしません。うん、これは美味しい。

強い火力で一気に表面を焦がすような火入れではなく、じっくりと少しずつ焙煎を重ねて行ったのが茶海の中の透明感からわかります。1サイクルごとに試飲で火加減を確認しながら半球状の茶葉の外も中も均等に火を入れた、茶葉をいじめない茶葉にやさしい作り方なんだろうな、と思います。武夷山の祝先生んとこもそうですが、火入れの上手い茶農さんは茶葉にやさしい製茶をするようです。せっかちでいい加減な番頭のような人間には向かない職業ですね。
それにしてもこの透明度の高さは見事です。

どこまで出るんだ?と不安になるくらいに煎が続きます。水っぽくならず、徐々に薄くなっていくので淹れる時間を伸ばしていけばいくらでも飲める感じです。銀行行ったり帳場仕事したり…とまだまだ朝はそこそこ忙しいんで、泣く泣くここまでで終了。

10分近くで出した最後の一煎をマグカップに移した後の葉底です。しっかりと団揉してあって、じっくりと焙煎されている様子が見てとれます。
やっぱまだ出そうなんで画像撮ったらこのまま置いておいて後で続きを飲めそうです。飲む時間があえば、ですが。

岩茶の焙煎とはまた違った香ばしくてクリアで飲みやすい凍頂の焙煎茶。番頭のお気に入りのお茶がまた一つ増えました。