昨日、小梅さんは無事に武夷山に着きました。
それにしても武夷山空港、ずいぶんと大きくなったもんです。もっとも番頭が最後に武夷山を訪れた時からもう10年ちょい経ってますんで、その間の中国の発展ぶりを考えれば無理もない事で。
ターミナルも何かゴミゴミしてて暗かったのが、今はこんなです。
麓の町、三姑はあんま変わらないです。それでも10年前とくらべると整然としてるなあ、とは思いますが。小梅さんが一ヶ月ベースキャンプを張るホテルはこっから歩いて2,3分のところ。祝先生の自宅と製茶場がある馬頭岩茶村へはちょうどこの小梅さんの立っているあたりのバス停から。
当たり前ですが、山々の姿は変わりません。道路の中央ちょっと奥あたりに橋がかかっていて、川下りでお馴染みの崇陽渓が流れています。見慣れない看板はどうやらナイトクルーズの乗り場案内のようです。中国の川で夜船に乗るってえのはなんかぞっとしないっすねえ。
まずはさっそく祝先生んところにご挨拶。駆けつけ三杯、ではありませんがすぐに評茶が始まります。
評「茶」って呼んでよいものかどうか。まだ茶葉はこんな状態です。毛茶、いわゆる荒茶の、それもほとんど乾燥もしていないような状態のものです。採茶して萎凋、揺青、殺青してざっと揉捻した状態の生に近い茶葉です。当然枝もそのまま、焙煎もかかっていない状態です。
飲んでいるのは黄観音のようです。
小梅さん曰く「悪くはないです」
黄観音、金観音あたりのフラワリー系の岩茶は、この毛茶の状態の時にはものすごい良い香りがします。クラクラするような強いキンモクセイの香りと、清香型の安渓鉄観音をもっと青くしたような味わいで、それゆえ出来不出来、長所短所が判別しにくいように思いますが、バイヤーさん達はもちろんこの状態で評茶して完成形がイメージできるようです。番頭はね、恥ずかしながらこの毛茶を飲んでも「イモ虫じゃねえんだから」くらいにしか思いません。ま、美味しくは無いです、この時点では。
良きタイミングで皆で食事。地場産の野菜や特産のキノコをふんだんに使った典型的な農家飯です。お茶摘みから製茶、焙煎まで体力勝負の日々が続くこの時期は肉もしっかり摂れるようなおかずが増える、との事。最後に番頭がお邪魔した11月頃はもうちょい質素つうか、あっさり目だったように記憶しています。
毛茶の評茶も胃腸には負担が大きいんで、小梅さんもしっかりご馳走になります。
揺青機の中の茶葉。この状態でも評茶は行われます。もうね、こんなんだと葉っぱにお湯かけてるだけで美味しさの欠片も無いです。
製茶は夜通し続きます。
初日なので大体の「ここまでのあらすじ」を把握したい小梅さんも日付が変わる深夜までお付き合い。ホテルに帰ったら2時だったそうで、すごい眠そうな声で電話してきました。
武夷山は朝から雨。製茶は天気と相談しながら、って事になりそうです。少し眠れるといいんすけどね。