番頭だっちゃ。
今日は「円融」という生茶、のお話。
…の前にお知らせを一つ。
本日は空模様も見つつ、早ければ午後3時過ぎに閉店いたします。ご不自由をおかけしましが何卒ご了承くださいませ。
なにせチャリ通なので、小梅さんが。
茶荘の生茶の中ではちょっとだけ先輩にあたる2010年製茶です。
当茶荘の生茶はギュっと2000年代後半から2012年頃までに作られたものが集中しています。最近のものだと下関の沱茶や大朝山古樹茶がありますが、生茶は特に2010年〜2012年のものがレギュラー組として長期に渡り君臨しています。
なんでこの時期に、かというと「値頃だから」です。この期間以前のものは経年により、以降のものは中国のにわか景気と高級茶ブーム、と前後両方ともプーアール茶が手が出しにくい時期があり、それゆえぽっかりと空いた短い期間に上手い事買い込む事が出来た生茶は今や貴重な「お買い得」なのです、えっへん。…別に番頭が威張る事ではありませんが。
で、中でもちょっと特別な存在なのがこの「円融」。同じ事の繰り返しになってしまうとアレなので、↓に過去に書いた円融についての項をはっつけときます。お手数ですが興味のある方は↓をおっぺして下さい。
(1)20年前には新興だった茶行さんが10周年を記念して作ったアニバーサリーモデルである
(2)なので、茶葉のクオリティが高い
(3)スモーキーさが目立つ作りの生茶である
(4)なので、お好きな方にはたまらない反面苦手な人もいる
(5)名前の由来は禅の言葉
10年前、できたての円融の特徴をざっと並べるとこんな感じです。
(3)に関しては10年という年月が深みと丸みを伴って熟成が進み、スモーキーでありながら甘みと柔らかな味わいの楽しい万人向けの生茶に変わりつつあります。お茶でいうなら正山小種紅茶の燻香、他の液体ならアイリッシュウィスキーのピート香やバーボンなんかの樽香みたいなもんで、クセがある分「ちゃんとした」ものとそうでないものの差が出やすい種類の味です。あぶりがっこは言うまでもなく、燻香のものでなくても野沢菜や梅干しなどと同じようなものかもしんないす。
お茶が熟す、というのは番頭のような中国茶に馴染みのなかった人種には簡単には理解できません。感覚として、ですが。
ただ、10年前より明らかに赤く熟したお茶の色や、カドの取れたまろやかな味わいは当時より明らかに美味しくなっている、と思います。
番頭にとって苦手だった生茶がいつの間にか大好きなお茶になった、というのはこの10年の賜物ともいえます。
美味しいっすよ、円融。そばぼうろとか南部せんべいあたりとの相性も良さそうっすね。