
昨日奥歯を一本抜いたもんで何か意気が上がらないヘタレな番頭でございます。
痛みより血が止まらない恐怖よりも突きつけられた抗えない「老い」におののくそんなお年頃。まあおっさん化は歯から、つうのは相場らしいんでアレですが。

自業自得な抜歯より遙かに深刻かつおっかないのが自然現象です。日本国内でのいわゆる令和2年豪雨の被害についてはニュースで事細かく報道されておりますのでよくご存じの事と思いますが、先週より中国本土を襲っている大雨については日本ではあまり伝えられていませんね。
かくいう番頭も、断片的に各地の被害の状況を拾うので精一杯。本当は商売上絶対に把握していないといけないのですけど。

「土地勘の無さ」。事の深刻さがピンと来ない原因は、番頭にとってはこれに尽きます。どうも一番被害の大きいのが長江流域一帯らしい、というのはロイターとかで見ましたが、そもそも長江がどのあたりを流れているか、というのが今ひとつ画に浮かびません。三峡ダム、というのは単語としては知っていますが、どこいらあたりにあるのかというのと、果たしてオーバーフローしちゃったらどうなるのかが想像できません。

大きな河川だけでなく、上海や蘇州、無錫といった大きな都市に囲まれるように位置する太湖や風光明媚な洞庭湖なども軒並み警戒水位を大きく上回っているようで、このままだと未曾有の水害にもなりかねない、というのが現在の状況のようです。本当に心配です、ただただ心配するしか出来ませんが。
武夷山も例外ではないようで、夕べ遅くに見た中国国内のニュース映像でも濁流と化した崇陽渓の映像が流れていました。猿が映ってたんで、たぶん上流の正山小種の原産地である桐木付近の、普段は清流の渓谷が美しいあたりではないかと思います。
正岩茶で名高い世界遺産の風景区も7日からの大雨で水浸し。いつも大雨とセットで頭痛の種になる停電も随所で発生している様子です。あらかた製茶も終わっている時分ではありますが、一部の晩生種や足火(強焙煎)のお茶作りには影響が出ていそうです。
紫砂壺でお馴染みの宜興も例外ではないようです。楊さんに連絡をしたらこれまた経験した事が無いほどの大雨だとか。
長江流域はお茶の名産地が点在しています。くだんの洞庭湖には黄茶の名品君山銀針でお馴染み君山島も浮かんでいます。ここいらも被害が心配ですね。
何かお茶や茶器の心配ばかりしている人でなしのようでもありますが、もちろん人命や暮らしが一番大切です。言うまでも無いから言わないだけで。

歯の心配してる場合じゃないな。さすがにのんびり屋でビビリな番頭も、そう思わずにはいられない日本国内と中国の大雨です。
とにかく止んで欲しいです。そう祈らずにはいられません。