
ハッピーマンデー、番頭でっす。
早いもので11月も今日が最終日。師走大好きな番頭はワクワクが止まりません。
もう一つ、ワクワクの原因になっているのが今年の茉莉龍珠花茶です。
新茶、です。茉莉龍珠花茶はジャスミンの蕾で香り付けをするので、旬も緑茶ありきではなくジャスミンの開花ありきです。ジャスミンは7〜9月頃に花開くので、通常の場合新茶は8月以降に市場に出てきます。
小梅茶荘の茉莉龍珠花茶と、その産地や作り方なんかは過去のブログ(上のリンクをおっぺして下され)に書きましたので詳しくはそちらをお読みください。
ジャスミン茶は中国国内にかぎらず、世界中で広く愛飲されているお茶です。それ故グレードや作り方のバリエーションがとても豊富です。中国料理屋さんでポットに入って出てくるポピュラーなものから、それこそ蕾と茶葉を10回以上合わせた龍珠もあり、また四川の貴重な緑茶とジャスミンの花弁を合わせた見た目も味も繊細なものまで。材料も手間もピンキリです。

今年の茉莉龍珠の茶葉です。冬眠中のヤマネのように丸まった可愛らしい茶葉。白っぽいのは産毛です。何で丸まっているのか、というのは過去の記事をご覧ください。一言でいうろ香り付けの為に合わせた蕾と茶葉をいったん分離させる時に丸まってるほうが作業がしやすいのです。

一般的な茉莉龍珠の香り付けの光景です。このまんま置きっぱにしておくと蕾が開いてきた時に出す熱で茶葉が焼けちゃうんですって。一概には言えませんが、淹れた時の茶水の色が赤っぽいジャスミン茶は葉が少し火焼け(日焼け)している事が考えられます。

新茶の茉莉龍珠花茶は薄くて明るい黄緑色をしています。開くと若い芽が多く使われている事が判ります。ベースになる緑茶は福建省産の茉莉龍珠に向いた品種のものが多いです。特別なものだと四川の蒙山甘露の茶葉だったり、最近では雲南の滇緑を使ったりもします。
緑茶の芽なので出来たては甘みが強く、反対に味わいは浅めです。ちょっと角があるスパイシーさも感じられます。
花香は新茶でより清冽に感じる事ができます。ちゃんと保存状態に気をつけていれば一年二年と時間の経過とともにより落ち着いた花香とまろみのある緑茶らしい味わいに変化します。

個人的には1年経ったあたりの茉莉龍珠花茶が好みなのですが、今年の新茶に関して言えば花香がしっかりしている割にくどくないので、緑茶の新茶としての味わいも楽しめつつジャスミン茶らしい華やかさもちゃんとあるのが好印象です。
個人的に好みで、なおかつ「売りやすい」お茶に仕上がったなあ、とまずは大満足です。強いて難癖を付けるとすると、ちょっと食事の時、特に油の強い中華料理に合わせるには大人しいかなあ、というくらいです。やっぱね、中華には「あのジャスミン茶」くらいのが邪魔にならんと思うのですよ。
ジャスミンハイとかの割り物にもちょっとなあ。お酒に合わせるならチェイサー的に使うほうがより持ち味が出そうです。

プーアール熟茶でぽっかぽか、が美味しい季節になりました。でも、こういう華やかで落ち着いた香りを楽しみながらぼけーっと過ごす冬の晴れた日の午後、なんつうのも良いもんです。
茉莉龍珠花茶、今年は当たりの年だったみたいです。お茶の一年の締めくくりとしてはまあ上々の出来じゃないかな、と思います。
結論、師走は何飲んでも美味しい。