番頭でございます。
落ち込んでは心配をかけ、怒っても不快な思いをさせ、笑えば不謹慎とたしなめられる。
筆の進まない事この上ない金曜日の朝。
「TGIF!!」なんて書き出すのもアレですし。
それでもお茶は美味しいし、お腹も減ればご飯も美味しい。
つう事で朝は冷凍庫に備蓄してある水餃子と無糖のヨーグルトと生茶です。何をお茶請けにしとんねん、と我ながら呆れる組み合わせですが。
食卓と帳場を兼用してるんで、リアルタイムなお茶現場を写すと非常にお見苦しくなるんで画像は茶荘で圓融を飲んだ時のものを使っております。
時節柄、モニターにも机の上の書類にもお客さまの個人情報が映り込んでしまうので余計に。
圓融。何遍も登場しているのですっかりお馴染みですが、プーアールの生茶の一つです。雲南の茶業さんが2010年に作った餅茶です。創立10周年を記念して特別に作った、いわゆるアニバーサリーモデルなのでかなり力の入った、良い茶葉を使った餅茶です。産地の名前ではなく、「圓融」という言葉の通りに特別な茶葉をブレンドして作っています。もともとは味の輪郭がはっきりとした独特の、悪く言えばクセのある生茶でした。茶葉由来のピリっとしたスパイシーさではなく、製法由来のスモーキーさが長所でもあり、短所でもありました。好き嫌いの分かれる味、というのが作られてから数年の間の圓融の印象でした。製茶の時、茶葉を釜でから煎り(加熱)をするのですが、その際に「釜に火が回」ってしまうと茶葉が焦げ臭くなるのですが、圓融のスモーキーさはその「焦げちゃった」故のものとは違います。茶荘で扱っている他の生茶にはこんな感じのスモーキーなものはありませんし、サンプル含め番頭はちょっと飲んだ記憶が無いです。
突出したスモーキーさという特徴は、反面他の味わいや香りといった要素を消してしまっていました。10年という年月を重ねながら、飲む毎にこのややはた迷惑な特徴は徐々に丸みを帯びて、その分他の美味しさの要素がのびのびと主張をし始め、とてもまとまりの良い生茶になりました。もともとは異なる茶葉のコレボレーション的な意味合いだった「圓融」という言葉は、今では色んな持ち味が融和したハーモニーとしての「圓融」になったかな、という感じです。
なんてカッコ良い事を書き連ねましたが、今朝はゴクゴクと朝ご飯を流し込む「飯のお供」で、今は帳場仕事のガソリン代わりです。ヨーグルトと生茶の組み合わせは「圓融」にはなりにくいようです。