ハッピーマンデー!番頭でっす。
早いすねえ、もう3月ですよ弥生。
この時期になると飲みたくなるのが岩茶の白瑞香です。
まああったかくなってきたから軽やかで香り高いお茶が飲みたくなった、というのもありますが、その中でも白瑞香はちょっと特別なお茶です。
番頭にとっては春のスタートボタンのようなお茶、という位置づけです。無意識に、ですけど。
「まだ蕾よ」
実家の母上さまに庭の沈丁花の開花状況を尋ねたんですが、まだちょっと早いみたいですね。
白瑞香という岩茶の品種名は、同時に植物の名前でもあります。
沈丁花(ジンチョウゲ)の仲間で、ゴチャっと花束のような沈丁花とは違い、もうちょっと一本一本が独立して生えているようです。雪花皮という別名で、和紙や紙幣の原料である三椏(ミツマタ)も同じ仲間に属しています。
岩茶の白瑞香は、その名の通りに沈丁花に似た香りが一番の持ち味です。番頭は黄観音や金観音などの金木犀系のこってりした香り(桂花香)より白瑞香や雀舌のような香りのほうがより好みです。そもそも沈丁花の名の由来が「沈香」という香りと、「丁字(グローブ)」という花の形を表しています。もっと言えば沈香の木もジンチョウゲ科です。
せっかくの好みの香りなので、クンカクンカしやすいようにと珍しく真面目に茶壺で淹れました。
うんめぇ。
ああおいしい香りがおいしい甘みがおいしい。
沈丁花の香りがピンと来ない方は、開花したら近所の公園なり植え込みなりを探してみてください。キンモクセイとは違って、遠くから漂ってくる存在感はありませんが、近づくとふんわりと落ち着いた香りが鼻孔をくすぐります。
すこし木っぽい香りがするのは雀舌と共通していて、それが全体の香りを華美にならずに落ち着かせているようです。ほのかにとろみを感じるのもこの手の爽やか系岩茶には珍しい持ち味です。
なんつうか、ごくごく飲むよりやはり落ち着いて煎を重ねるのが合う味わいです。余韻が長く続くとか、後味が変化をするタイプではない分マイペースで飲んでいけます。月初の週明け、スタートダッシュかますにはちょっとのんびりし過ぎちゃうのが玉に瑕かしら。
さあて、飲み終わったんで帳場仕事をおっ始めるとしましょうか。
今日は赤口ですって。11時から13時まで全力注いで後は大人しくしとくべ。
開花までもうちょっと。