
古樹白茶についての項で、「春燕さんて?」という疑問を持たれた方が少なからずいらっしゃったようで。
白茶だけでなく、最近だと布朗大樹とか黄金葉についての回にも出てきました。雲南のお茶についての話題によく出てくる名前です。
人名です。楊春燕さんという女性で、普段は昆明の茶市場の中にある自分のお店を営んでいます。確か一時的にご主人の仕事の都合だかなんだかでお店を休み、お茶からも離れていたと聞いていますが、今はまたバリバリに雲南のお茶に関わっています。
昆明のお茶市場の中でも雲南茶については一目置かれる目利きで、産地を飛び回って美味しいお茶を手に入れる切れ者のバイヤーであり、自分の見いだしたお茶のプロデュースをするブランドホルダーでもあります。

始めて小梅さんが出会った時は、香港資本の新興の茶行さんの社長さんの秘蔵っ子として働いていました。キャリアの無さを感じさせないセンスの良さ故、社長さんのアドバイスとアシストで独立して以来のお付き合いです。不思議と小梅さんとは気が合うのか、西双版納の山奥の茶産地へのキャラバンに連れて行ってくれたり、貴重な茶葉の提灯買いに混ぜていただいています。昆明では小梅さんは多くの時間を彼女の店で過ごします。
気の合う仲間、ではありますがそこはお互い商売なのでイエスとノーははっきりさせます。お互いの利害が相反しない部分で仲良くしている、こう書くと薄情そうな響きがありますが、穏やかで優しい人柄なのは小梅さんからいつも聞かされます。
店名を間違えたとはいえ(くどい)、ウチごとき弱小がオリジナルデザインの餅茶を作れるなんて分不相応な事が出来ちゃうのはひとえに春燕さんのお陰です。

マブダチ、とも言って良いもう一人。
宜興の楊琴さん。楊さんが二人なのでややこしいですが、番頭は「雲南の楊さん」「宜興の楊さん」と呼んで区別しています。
こちらの楊さんとも付き合いは長くなりました。
作陶家さんは芸術家な一面ももちろんありますが、これで家族やスタッフを食べさせないといけない「親方」でもあります。対極的な二面性ですが、そのどちらも我々買う側からすると「付き合いにくい」部分が多々あります。
小梅さんが楊さんを信頼して楊さんの作る茶壺を扱うのは、ひとえに楊さんの「話がわかる」をいう人格によります。
春燕さんと同じように楊琴さんもどんなに気が合う友人といっても商売は商売、という大前提がちゃんと判っていて、「ここまで」というラインの範囲内で色々と面倒を見てくれたり無理を聞いてくれたりします。

マブダチ、というよりどこか従姉妹のように仲の良い楊琴さんと小梅さん。
広州の展示会では楊琴さんのお得意さんが手配してくれたホテルに一緒に泊まり、期間中のアゴアシが全部一緒(=ゴチ)なくらい一緒にいます。
変な言い方ですが、広州では同じ作陶家の妹さんとよりも小梅さんと一緒いいる時間のほうが長いんでないか、と思えるフシもあります。
メキメキと腕を上げ、それにつれて頭角を顕してきた楊さん。出会った頃より茶壺の相場も上がり、作陶家としての格付けも上がりましたが、一向に貫禄が付かないまま、「茶壺女子」みたいなファッションを好みます。

ダチ、ではありませんが仲良くお付き合いさせていただいている現地の賢人たちは他にもたくさんいらっしゃいます。
広州の芳村茶城には中国茶全般のエキスパート、「司徒」さんというなんかエヴァっぽい名前のお姉さん。武夷山には祝先生一家の他にホテルの中の素敵な茶楼の女店主さんや茶道具屋さんのお姉さん。台湾には凍頂の劉さん夫婦と高雄にいる番頭の旧友一家。
本当に、出会いに恵まれ、人に助けられてるんだなあ、と常々感謝しています。小梅さんの大好きな「縁」の中の「人之縁」、っすね。