ぶるる、番頭です。
冷え込みますなあ。もうすぐ冬至ですものそりゃ寒いはずです。
冷えるのは何も人間様だけではありません。茶器も同じいやそれ以上に冷え切っています。体温つうのがそもそも無いんで、使わないで置いておくと限りなく室温に近づきます。
で、この時期になるといちおう注意喚起をしとかないといけないのが「冬場に茶器を使う場合の心構え」です。
毎度同じ事を繰り返すのもアレですんで、過去の記事のリンクを貼っておきます。
暖気運転を A)したほうが良い B)する必要がある の両方についてその意味と方法についてざっくり書いてあります。
要約すると a)より美味しくお飲みいただく為に b)大切な茶器を守る為に の2点についてで、前者は素材に関わりなくお茶を淹れる&飲む器に共通して、b)は主に陶器(炻器)の茶壺(宜興紫砂壺など)に関わります。
Bのb)については↑の記事をご覧ください。かなり昔のものですが、「驚破」という現象について書きました。
紫砂壺、特に朱泥に起こりやすい現象です。高確率で起こる現象ではないのですが、なった時には茶器に致命的なダメージを与えます。
なんて書くとおっかなくなりますが、仕組み(原因)と対策をちゃんとすれば朱泥の茶壺もそんなに尻込みせずお使いいただけます。
料理道具で例えます。炒め物をする時にフライパンにいきなり油引いて具材をぶち込むか、熱したフライパンに油を引いて万遍なく油が回った後で具材を入れる違い、ですかね、Aのa)に関しては。お茶を淹れる時だけなんだか面倒くさく思えてしまうかもしれませんが、お茶淹れも基本的には料理と同じで、ちょっとした一手間二手間をルーティンにしてしまえば実は簡単です。って、料理ほとんどやらない番頭が言うのもナンですが。
方やBのb)は鉄のフライパンや包丁を使うようなものです。研いだり、錆びさせないようにしっかり水気を切ったりという作業です。セラミックのナイフやテフロン加工のフライパンを使うように、ガラスや磁器の茶器を使えばこういった面倒なメンテは必要ないのかもしれません。鉄瓶のお手入れが厄介なのと同じで、じゃあなんでわざわざ手入れの必要な茶器を使うのか?つうとこれは味や香りが柔らかく出るかシャープに出るかといった感覚の問題もあれば、保温性の違いなどといった合理的なものもあります。ま、こればっかりは使ってみて下さいとしか申し上げられませんが。
育つ、という要素もありますが、それはまた後日ゆっくりと。
まずは陶器(炻器)をお使いの方に、季節のご挨拶がわりに。