
番頭でござい。
今朝のお茶は熟茶にしました。
ここのところ熟茶といえば布朗大樹を選ぶ事が多かったので、今日は孟海味をば。

2007年の餅茶です。1999年の一級と2006年の三級茶葉のブレンド。こう表記されている時は大抵が新しいほうをメインに、古いほうをサブに使ってるようですんで、ほぼ2006年の茶葉だと考えられます。それにしてももう15年は経っている熟茶です。

孟海(正確には勐海)産の茶葉らしく、最初の頃はやたらピリついたシャープな味わいでした。甘みは強く、埃っぽさも無かったのですがカドがある味わいで、一年先輩の普洱王の柔らかさと較べるとかなりヤンチャな印象の熟茶でした。番頭がぼんやりとイメージしていた熟茶のそれとはかなり違っていて「もしかしてこれは失敗作なんではないだろうか」と正直少し疑わしい目で見ていました。

♪ちっさな頃から悪ガキで、15で…♪
有り難い事にグレる事もクサる事もなく、15でちゃんと落ち着いた熟茶になりました。
カドが取れた分味に厚みが出て、いっぽう持ち前の甘みやクセの無さはそのまま以上に発揮されています。
外れかな、と一瞬でも疑った番頭を赦して欲しいです。これを節穴と呼びます。

例の如く450mlのガラス急須でたっぷり淹れました。
1煎目。固まった茶葉が少しずつほぐれ出すタイミングでさっと出しました。茶水の色はまだやや淡めです。
布朗大樹や歴程と較べて特に目立つのはこの鮮やかで透明度の高いルビー色の水色。

ちょっと考えると年数が経ったほうが色に濁りが出そうなものですが、熟茶それも程度の良いものは透明感が年々増していきます。
この透明感はそのまま雑味の少なさにも繋がっているようで、元々クセが少なかった孟海味が一層飲みやすい熟茶に成長しています。
棗香の少しこってりとした甘い杯底香は少し大人しくなっていますが、その分デーツかプルーンのようなドライフルーツっぽい香りが加わって多層的になっています。

2煎目。茶葉がだいぶ解けてきました。より短い時間で出しても香り・甘みともに強く感じられます。
ポピュラーなサイズの蓋碗に換算すると大体6煎目か7煎目あたりから10煎目くらいまで。個人的にはこのあたりが一番好みです。
とろみは感じられませんが、スルスルと口から喉に流れ込んでいく、どこにも引っかからない喉ごしの良さ。通った後に長く残るふんわりとした熟茶特有の香り。岩茶の余韻とはまた性格の異なる大らかな後味がとても気持ち良いです。

3煎目を出し終わりました。1.2リットル強。まだ茶葉はほぐれきっていません。なのでお茶もまだまだ味に衰えはありません。2煎目と較べてほんの少しコクが浅くなった分、かえって甘みを強く感じるようになりました。このまま煎を重ねて行くといずれは甘いお湯になるのですが、それはまだまだもっと後のお話し。
茶葉の量や淹れ方にもよりますが、例えば5グラムの茶葉があれば2リットル近くかそれ以上は楽しめるお茶です。

普段使いにゴクゴク飲む、とかとりあえず買っておいて育てながらゆっくり飲む、つうんであれば布朗大樹がお勧めです。出来の良い熟茶なので作って4年でもうじゅうぶんに美味しくなっています。言わばコーナーに投げ分けるコントロールとフィールディングの良い即戦力ピッチャーですね、布朗大樹。
対して孟海味はノーコンで荒れ球、球種もストレート一本だけどやたら速くて重い球投げるヤツ、って感じです。。。でした。
原石、ってのはこういうお茶なのかなあ、なんてちょっと思います。

けっきょく計5煎、2リットル以上きっちり出しました。冷めたのに氷入れて飲むのが美味いんだ、これがまた。