番頭が愛してやまない人形町の町。
そんな風に書いちゃうと何代も続いてこの町に暮らす皆さんに怒られちゃうかもしれません。たかだか10年ちょっとの新参者が何を偉そうに、なんてね。
でも好きなもんはしょうが無いんで、声高にではなくちっさな声で。
10年ほど前の甘酒横丁です。お蕎麦の東嶋屋さんの角から大通りの交差点方向を撮ってますね。右側の東嶋屋さん、豆腐の双葉さん、お茶の森乃園さんのブロックは今と変わりありません。ここだけ見ると時間が止まったかのようです。
いっぽう右側に目をやるとほっと屋と書いた1〜3階のやきとり屋さんは今は昔から続く洋食の芳味亭さんになっています。新本店、ってヤツです。
その手前には憧れの果山さん。なんかお高い果物が並ぶハイソなお店でした。フルーツいっぱい使った贅沢なケーキやパフェを楽しめるカフェになってました。日本橋千疋屋、神田万惣、近江屋洋菓子店みたいなお店さんでした。チーズドッグが何故か名物だったり、ちょっと不思議な、ある意味人形町に見合うお店でした。今は生食パンのお店さんになってる場所だったように記憶しています。その手前の靴やさんと中華の生駒軒さんは健在。
横丁の入口には何か得体の知れないビル。10年前には角はワインバーでした。その前は中乃見屋さんつうお寿司屋さん。こんな鰻の寝床みたいなスペースに立ち食いじゃないお寿司屋さんがあったのが当時の番頭には謎でした。隣にはラーメン屋さん。地下には人形町には貴重な百円ショップ。ちょっとした物を買うのに重宝していましたが階段がクソ狭くてすれ違いが出来ないのが不便でした。階上には雀荘なんかもあってなんだか横丁のエントランスにはちょっとなあ…という風情で、でもそんな緩さも大好きでした。現在長期工事中。ここには新生A1出口が出来ます。バリアフリー化すれば水天宮さま、明治座さん、TCATへの行き帰りに何よりの強い味方になります。ベビーカーも大きなキャリーバッグも。もうちょい早く完成してくれると言う事なしなんですが。
ちょうど俺フレさんが工事中ですね。出来たばかりの頃は何か早い時間からお客さんが並んでました。それでも都内の俺フレの中では穴場だったんだとか。ここはその前はやきとん屋さんでした。雪が降って空いてた時にぶらりと飛び込んだらやきとん屋の店長さんがフレンチの支配人っぽい服着て「お久しぶりです」て挨拶に来てびっくりしました。この場所は2階の居酒屋「さつま」さんが1,2階の2フロアで営業してます。実力あるなあ。
2013年は水天宮さまが建て替えの為、明治座さんの隣に仮宮を作って引っ越しされた年でもあります。新社殿落成の後、この仮宮があった場所はしばらく空き地…だったかな。その後にトラスティプレミアというホテルが建ち、そのまた後にKOKO Premierという別のホテルが入り今に至ります。不思議なモンで何か新しい物が出来た時、その場所が以前何だったかというのは意外と覚えていないものです。
2009年。茶荘が開店した年の秋です。翌年にドラマ「新参者」で人形町に一気に人が増え、その翌年に大きな地震があって。いきなり谷あり谷あり時々山ありな数年の後、2013年頃は一番のんびりしてたような気がします。失速しないギリギリの巡航速度でそれでも水平飛行は出来てたのかなあ、と。
10年後、ちょっと想像出来ないすけど。
まだあるのかなあ、小梅茶荘。