「トリックオアトリート!」
番頭幼少のみぎりにはそんな習慣はなくて、スヌーピーのマンガの中だけの世界だと思ってたんすけどねえ。

明日は霜月朔日。お茶屋の世界では紅茶の日とされています。あ、日本だけの話ね。
大黒屋光太夫が云々、つう由来については過去に駄ボラを何回か書きましたんで省略。気になる方は
過去記事を遡ってご覧ください。だいたい今日か1日に毎年のように書いてますんで。

紅茶の日にちなんで今日は易武古樹紅茶を淹れます。
お陰様で今年は美味しい紅茶が手に入った一年でした。いつも安定した出来の宜興工夫紅茶、昨年を上回る味と甘みの鳳慶という定番の紅茶だけではなく、この易武古樹紅茶と武夷の妃子笑という望外の出会いもありました。
そんな中で出色の出来だったのがこの易武紅茶。まあどなたに試飲していただいてもポジティブな評価をいただけるので番頭ちょっとびっくりしております。

透き通るような澄んだ甘みと穏やかな香り。それが何煎も続きます。トーンが細長く、いつまでも飲んでいられるんで止め時に困るお茶でもあります。
柔らかいからといって物足りなさはなく、線が細いのに芯が強い印象があります。

出来たての頃は上品な蜂蜜のような香りの杯底香は、すこし落ち着いた今は甘さの中にダークチョコのようなカカオっぽいコクが感じられます。
飲み口はあくまで端麗。長めに出しても渋みはほぼ感じられません。
こっくりとした焼き芋のような甘みや強い柑橘が感じられる目鼻立ちのはっきりした滇紅の持ち味とは一線を画しながら、飲みやすさはそのまま「らしさ」を持ち合わせてるように思います。

あらためて中国の紅茶も美味しいよなあ、と感じます。
近年とみに日本の紅茶=和紅茶が頑張っているのを実感します。正直言って10年くらい前は「ああ、紅茶にもチャレンジしてるんだなあ」くらいの認識でしたが、最近では輸入紅茶と比肩するほどに高い評価を得、市民権を獲得してる感があります。
このままウィスキーのように追いつけ追い越せの勢いで伸びていくのかしら、などと期待半分危機感半分で眺めています。
負けられないよな、中国紅茶も。
どこか従来の「お紅茶」、インドの紅茶であったりスリランカのであったりに較べ認知度もポジションも低かった中国紅茶。ヘタすると「え、中国でも紅茶って作ってるんですか?」程度にしか認識されてなかったりしました。いや、過去形にするのはちょっとアレか。
温泉まんじゅうじゃないんで元祖争いをするのも起源を声高に言うのも野暮になっちまいます。なので過去の事をああだこうだするより、いっそよーいドンであらためて中国紅茶の美味しさをアピールしていったほうがいいかな、なんて。まあ、たまさか美味しい紅茶が今手持ちにあるから言ってる感は否めませんが、そんな事と思ったりするのですよ。

砂糖なしでもこんだけ甘い。何煎も美味しさが続く。渋みが無い。
人様に好かれるであろう長所をこんだけ持ってるんですから、もうちょい中国紅茶に光が当たるように頑張らないと宝の持ち腐れだよなあ、と思います。
「華紅茶」
vs.ではなく&な関係で和紅茶の勢いに置いていかれないようにしたいっすね。
中国ではもちろん中国紅茶は一大勢力ですが、日本(他国も)ではまだまだキームンだとかラプザンスーチョンくらいしか知られてないですし、その両者とてそれほどポピュラーにはなってないので。

つう事で月が変わったら何か紅茶がらみの企画も考えようかな、なんて思うとります。