午前中は開店時間が遅くなり大変ご迷惑をおかけ致しました。
シャッターも無事に開き、四日ぶりの営業をしております。三連休なんていつぶりだっただろう。もしかしたら15年で初めてかもしんないぞ、なんて思ったらよう考えたら2019年にとてつもなく長いお休みを、2020年も一ヶ月近く休んでましら。前者は人災つうか自業自得、後者は降って湧いた天災で。
リスタート。四日ぶりの朝のお茶は金観音から。
昨年の岩茶です。その前にいったん売り切れの期間があってからの待望の新茶だったので喜びもひとしおでした。
華やか系岩茶の中でも黄観音と並ぶキンモクセイっぽさが持ち味の岩茶です。
キンモクセイの香り=桂花香は黄観音のほうがはっきりしているように感じられます。
特に昨年のこの金観音はがっつり花香寄りというよりは爽やかな柑橘っぽさも合わさった中間型の味わいが強く出ています。
柑橘っぽいからじゃあさらりとしてるかというと、どっこいそれでいてミルキーなとろみも感じられます。華やかで爽やかでミルキー…んなアホなと言われそうですが、飲んでみたらそれ意外にしっくりくる表現はありません。
以前飲んだ時にも書いたと思いますが、「岩茶らしい」という言葉の定義によってはあまり岩茶らしい持ち味ではないのかもしれません。岩茶に何を求めるかによりますが、こういう味や香りが恋しくなる時もあるのですよ。
かなり軽く仕上げてありますが、青っぽさや水っぽさという未熟な点は見当たりません。どっしりとした製茶に耐える茶葉であるのが難しいのと同じように、軽やかに仕上げても破綻しないというのも得がたい適性だと思います。
この金観音はそんな「軽やかに出来る」岩茶という点では黄観音より向いていると言えます。
若干煎の落ちが早いのが玉に瑕、っすかね。薄くなったら最後のほうはまとめて出してゴクゴク飲みに回すか、きっぱり諦めて次のお茶に切り替えるのもいいかもしんないです。「出し尽くす」系の岩茶ではないですね。
青さが残る葉底です。これを見てもやはり軽やかさを重視して製茶したのがわかります。
「冷えた体を末端から温めたい」から飲むというより、天気の良い昼下がりにささっと淹れてぼんやりと飲むのが合うような気がします。人を自堕落にするお茶、と番頭は呼んでおります。