ハッピーマンデー!!番頭でっす。
季節は大寒。「款冬華(ふきのはなさく)」、一番寒い時期は同時に春の訪れを待ちわびる季節でもありますな。
凍頂春茶を淹れました。
そういやどこか蕗の花を思わせるコロコロとした愛敬のある茶葉です。
蘭韵白毫や白茶もそうではありますが、番頭にとって春のお茶といえばやはり劉さんの凍頂春茶です。
実際には凍頂春茶が出来上がってくるのは5月に入ってからなんでまだまだ先ですが、一番春を感じさせてくれるお茶で、春が似合うお茶です。
今朝は四の五の言わずにただただ飲んでいきます。あまり多くを語る気にならないのは、今までさんざっぱら飲んで来たお茶で、もう15年も毎年春になるたびにブログに書いてきたお茶だからです。出来や持ち味は毎年同じではないのですが、基本的には変わらないいつもの美味しいお茶、だからです。変わらない事にほっとするお茶ですし、それだけ飲んでも一向に飽きが来ないお茶でもあります。
岩茶や生茶とかよりちょっとだけ長い時間置いて出します。ギュっとした半条状の茶葉が解れるのに少し時間がかかるので最初の煎は長めに。劉さんのお茶は発酵がしっかりしているので少々長く置いても気になる青さが出る心配はありません。若干赤っぽく見えるのは発酵の強さと、言いにくいのですが番頭が自分用の茶葉の管理を雑にしてたからです。ちょっと空気入っちったみたい。
とはいえ香り、味ともに問題なし。雑味の無いクリアな凍頂烏龍茶です。
春茶らしい清冽な香り。杯底香には少しだけこってりとした甘い香りもありますが、冬茶と比較するとやはり若葉のような春の息吹を感じる香りが漂います。うん、これこれ。
繊細さではいわゆる高冷茶に席を譲り、華やかさは後発品種に及ばないかもしれませんが、番頭にとってはやはり台湾茶の中でも凍頂は別物です。思い出補正がかかりまくって手前味噌を塗りたくってるせいもあるんでしょう多分。
が、それを抜きにしてもやはりこの香りと味は文句の付けようがありません。
煎を重ねていきます。抽出時間を長くしていくにつれ、心地よい渋みが加わります。普段岩茶や紅茶なんかを飲む時にはネガティブな要素になる渋みですが、烏龍茶特に凍頂においては回甘を連れてくる上質な渋みは大歓迎です。
案の定渋みはゆっくりと喉の奥から甘みとなって戻り、口の中を満たします。立て続けに杯を空けると入ってくる渋みと戻ってくる甘みが口の中で渋滞を起こして脳の中の味覚を司るあたりにバグが発生します。
「〜のような香り」とか「・・・な味」といった例えが見当たりません。凍頂春茶は凍頂春茶の味で、香りです。
なんつうか、それだけ番頭にとってはお馴染みのお茶なんです、としか言いようが無いのですよ。マグロの味はマグロでしか例えられない、みたいな感じです。
強いて言えば冬茶のふくよかさや包み込むような甘みに対して、春茶は無邪気です。青い…青臭いとはちょっと違って春を謳歌しているような。
結局味や香りを上手い事伝えられないまんま飲み終わってしまいました。
当たり前の美味しさってのはどうしてこうも表現しにくいんすかねえ。