気温28.8℃。湿度55%。1008ヘクトパスカルの午後1時。
風が気持ち良い昼下がりになりましたが、ちょっと動くとじんわり汗ばみます。よぉし、いい感じだ。
北斗を飲んでいます。
今日みたいな天気の日は何をどう飲んだってたいてい美味しいと相場は決まってますが、まあまあ焙煎が入っていてかつ程々にどしっとしてる、しかも香りや甘みにあまり振れていないお茶が飲みたい気分でして。
北斗は2012年の上撰北斗と2019年の北斗の2種類があります。恥ずかしながらどっちがどういうお茶だったかを思い出すのに時間がかかりそうなのでやや焙煎強めの2019年のほうを選びました。
両者の持ち味の違いなどについては2月に飲み比べた時のブログをご覧ください。
味や香り、発酵の違いなどがちゃんと書いてある、と自画自賛しときます。たぶん勘違いだけど。
’19年の北斗は葉がやや大ぶり。で、かなり黒っぽい濃緑色です。赤みはあまり感じられません。ぴったり中火っすね。
ここんところ白茶だ生茶だと雲南の茶葉を見る事が多かったんで岩茶の葉姿を見るとちょっとほっとします。なんだかんだ見慣れてますんで。
ほんのちょっとだけ長めに置いて出しました。茶海に注ぐ為にいったん持ち上げた茶壺を一度すっと低く下ろしてまた持ち上げ直す、くらいの1拍ぶんくらい。「気の迷い」と番頭は呼んでますが、この1拍の逡巡は裏目に出る事はありますが、直感的なものなのでそれに従います。ま、飲むのは自分ですんでね。
ウッディな香りと針葉樹の葉のような緑色を感じさせる香り。茶水から上がってくる湯気の香りは森の中を歩いているような清々しさがあります。
深山幽谷ではなくてそれよりはやや開けた登山道とか、山腹にある神社の境内を想わせます。
梨っぽい果実味と野菊のような可憐な花の香り。どちらも強くはありません。一所懸命に探さないと、というか何煎も味わってるうちにぽつりぽつりと順不同に出てくる特徴です。本当は凄いのにドラムとベースが大音量なせいでイマイチ目立たないギターソロ、みたいにです。それ以外の全体を「お茶っぽさ」が覆っていて、それは一言で言えば「岩茶らしい」って事になるんでしょう。
飲む人によって感じ方がかなり異なる、十人十色な岩茶がこの北斗だと思います。
少し湯温が下がったらどこかに隠れていたミルキーが顔を出しました。冷めるにつれとろみも感じられます。熱々と冷めてからの表情がだいぶ違う、二毛作な美味しさが楽しいです。よかった、今日はこのお茶で正解だ。
いい気になって何煎も飲んでたらじんわりと、でもさらりとして心地よい汗。何の変哲もない火曜日の午後をゴキゲンな時間に変えてくれる今日の北斗でありました。