
沖縄、奄美あたりではもう明けたらしいですが、全国的に梅雨真っ只中。
「あれ、今年カラ梅雨かな」なんてここんところ毎年言ってるような気がします。昔話は野暮ですが、ガキの頃はもっと毎日ジメジメシトシトと降ってたんだけどなあ。そのぶん線状降水帯だのゲリラ豪雨なんて物騒なのが増えました。いやはやなんとも。

今日はちょっとした目の保養。
楊琴さんの葫芦壺です。
鮮やかな明るい大紅袍泥を使った可愛らしい茶壺です。
画像だと大きさが把握しにくいですが、150mlと容量はやや小さめ。一人、お二人で楽しまれるのにもちょうど良いサイズです。凹凸に連続するカーブで構成されるフォルムはどこかヨーロッパのコンパクトカーを思わせます。

「葫芦」というのは植物の名前です。ひょうたん、ユウガオ、瓢(ひさご)、ふくべ、等に訳されます。
成る程、胴体のくびれはそんな感じです。蓋の珠の部分が蔓にあたるって訳ですね。木の実や果実は古来より茶壺によく用いられます。球形でシンメトリックなものが多いんで親和性があるんすね。

葫芦と名が付く茶器は宜興紫砂壺に限らずあります。
我々がイメージしやすい七味が入ってる木製のヒョウタンそのものみたいな形の青磁のものや、もっと雪だるまっぽい瓜状のものも。
漢瓦や石瓢のように約束事が多い伝統的な茶壺の形と違い、葫芦壺といえばコレとコレ、といった縛りは緩やかなようです。
それにしても見事な造形です。この手のデザインの茶壺はたいてい250ml超級の大ぶりなので、このサイズは嬉しいです。
形状も觜の形もオーソドックスで茶葉を選ばないオールラウンダーです。岩茶、紅茶、熟茶…どのお茶とも相性は良い形です。強いて言えば4人以上の時には煎を二合一で出す必要はありそうですが、一人二人にはぴったりです。
蓋の蔓が指を置きやすいのも番頭のようなぶきっちょには有り難いです。

水の通りもスムーズ。口が広いので茶葉の出し入れもストレスフリー。出す時に若干茶葉が口の裏側の縁に残るけど、コツつかんじゃえば簡単です。
茶荘の棚にならんでおります。手に取ってご覧ください。

以下蛇足中の蛇足ね。
大昔「ひょっこりひょうたん島」って人形劇をNHKでやってました。もう60年近く前ね。番頭はひょうたん、つうとこの人形劇と秀吉の千成り瓢箪を思い出します。
したっけ、中国遼寧省に葫芦島市って町があるのね。戦後満州から日本への引き揚げ船の出港地だったんだそうな。
字は違えど瀬戸内海には瓢箪島という無人島があります。小さな島なのに広島県と愛媛県の県境が島の中程を通っている不思議な島ですって。