
貧乏暇なし、番頭イズビジー。

9月9日。重陽の節句です。
菊の節句なんて呼ばれますな。桃や端午に較べると影が薄い感はありますが、陰陽思想では奇数=陽の中でも一番大きい数字の9が二つ重なる日なので陽の気が最も強い日だとされてます。力強いが故に人に負担を与えるのでかえって不吉なんですって。成る程陽が重なるから重陽か。

中国ではお墓参りの日、日本では栗を食す日だったりもするみたいです。これいつのだよ?ってな菊花茶以外には生憎菊にも栗にも直接関係のあるお茶ってのが手元に無いので、今朝はこちらの生茶を。
黄金葉。黄片と呼ばれる茶葉が多く入った餅茶です。

黄片は大きく育ってはいるものの茶葉の厚みが普通のものとそうは変わらないので嵩張る割に軽い。ので、目分量でけっこう大胆に茶葉を使いました。
どこか白茶を思わせる枯れ葉感のある茶葉の姿です。目を引くのはその色の変化です。入ってきたばかりの頃と較べると濃い緑色はくすみ、明るかった黄緑色も茶色を帯びてきました。見事な迷彩柄です。茶荷の上じゃなくて森の中なら見事に擬態できる筈です。

約100℃、20秒で淹れました。あらら、濃く入っちゃったかしら。やっぱ目分量で茶葉ひとつかみってのがいけなかったみたいです。
脳内で色を薄めに変換しながら様子を見ます。以前の黄色っぽさと較べるとだいぶ色が変化したかな、という感じです。他の、例えば景邁あたりと較べると変化の速度が速いように感じられます。
どこか秋めいた色ですな。

杯底香は竹の皮と少し樟脳っぽさも感じられる菊花のような香り。この香りが今朝黄金葉を選んだ理由です。もしかしたら香りも大分変わっちゃってるかなと懸念しましたが、葉の多い野花のような花香はちゃんと残ってました。

落ち着いてる分どこか垢抜けない、素朴なお茶の味が心地良いです。緑茶っぽさの名残もあり、少し釜煎り茶っぽさもあり。峠の茶屋でお団子と一緒に出てくるお茶みたいな味です。ええと、いちおう褒め言葉のつもりです。
菊の花の香りは茶杯の表面からも感じられます。

少し短めの時間で足した煎を重ねると、枯れた味は抜けておっとりとした甘さととろみのある生茶になりました。キレ味や骨太な強さで勝負するタイプの生茶ではないですが、飲みやすくとっつきやすい味わいです。生茶らしい生茶を求めるんであればちょっと違うかなと思いますが、蘭韵白毫の緑茶なんかが好きな方にはお勧めです。

20煎でも出ます、という事は流石にありませんが、5グラムで2リットルくらいはゆうに楽しめます。飲み疲れしない生茶なのでゴクゴク飲んでも負担がきません。そういう点でも「陽の気が強い」日に飲むにはぴったりだったかな、なんて。

黄片らしいデカい葉がゴロゴロしてる葉底を眺めつつ、今朝のお茶はここまで。
忙しいんす、珍しい事に。