
ダイヤルアップ接続って覚えてます?いや、もしかしたら若い方には「何それ?」かもしんないっすね。ISDNってのが夢の高速回線だった頃もありました。今思えば128kbpsなんて、動画はおろか高画質の画像もまともに読み込めないのに。そういや最初の頃はこのブログもアップ出来る画像が1枚500
mb(誤;正しくはkbです。ご指摘いただきありがとうございます)までに制限されてて、しょっちゅう細かくリサイズしてました。そう考えると本当に良い時代になったもんです。
昔は海外とやりとりするとなると高い国際電話か、エアメールか電報。「アメリカのA、フランスのF...」なんて一文字一文字やってた時代もあったのですよ。テレックスとかね。ファックスが出た時には本当にびっくりしました。実は紙が転送されるって仕組みが未だにちょっと理解できてません。

バックヤードを少し手直しするもんで帳場にこもってられないんで茶座に避難。
せっかくなので鉄羅漢を飲む事にしました。
2021年の茶葉です。新茶でもなく、陳年と呼ぶには若い中途半端な経年ですが、えらいもんでちゃんと日々歳々成長はしているようです。
老剣客のごときツワモノ感のある葉姿。精悍な、という表現が似合います。

辛抱たまらん。
お湯が沸くのを待つのももどかしく、たっぷり入る烏泥の倒把西施に茶葉を5グラム。沸き立てのお湯で予熱をしっかりやったら勢い良くお湯を注ぎます。もうその瞬間からスパイシーでフルーティな強い香りが茶壺の周りからしてきます。

陳皮、棗とかザクロなどを思わせる少しクセのある果実香と独特の甘い香り。それを檜か杉のようなウッディな香りでコーティングしたような杯底香。
火香はだいぶ落ち着いて、法要終わりのお寺の本堂のような感じのどこか懐かしく、どこか背筋が伸びるような香りに感じられました。

インパクト抜群の味です。強いといっても良質な肉桂のような飲んでいるうちにじわじわ効いてくるボディブローのそれではなく、パンパンと小気味よいワンツーで上下打ち分けられてるような強さです。なので意外と飲み疲れはしません。
シナモン、生姜といったスパイスのようなピリっとした刺激と、それと相反せずに調和する果実の味わい。混ぜ物も着香もないのにこれだけの特徴が出るのがあらためて岩茶が面白いお茶だな、と認識させてくれます。

お茶淹れを小梅さんに任せてお客さま気分でのんびり続きを飲みます。美味いなあ、鉄羅漢。鬼胴とかのバリバリ名産地のサラブレッドではないけど、味と値段を考えると非常に優秀なんではないか、と。お玉ヶ池とかの名門道場の塾頭とかではないけど、天性の剣客って感じの出来るヤツです。時代劇とかで一番人気になるパターンだな、これは。

この鉄羅漢だったらお茶請け無しでひたすら飲んでてもいいかな、と思ったのですが…。小梅さんが3つの茶海と茶壺を並べ始めたので持久戦に備えてお腹に入れました。来週には秋分なんすね。暑さ寒さも、になればいいんですけど。
おはぎはこしあんより粒あんっすね。異論は認めますけど。

この日(昨日です)は大観音寺さんのご本尊開帳。水天宮さまといい、なんか寺社が二階にあるのって違和感ありますね、平地なのに。