
ハッピーマンデー!番頭でっす。
蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)。季節は秋分の次候、秋真っ只中です。言うても東京は真夏日に逆戻りですが、空模様や風のにおいに秋を感じる朝になりました。
何飲んでも美味しい、と言いたいところですが、なんかこういうはっきりしない天気の朝はそうでもなかったりして。
こってりもどっしりもちょっとしんどい、かと言って華やか軽やかもかえってくどい。

そうだ、矮脚があるじゃないか。消去法のようでいささか後ろめたいチョイスですが今朝はコイツにします。
2023年の茶葉が入った袋を奥のほうから引っ張り出してきました。
大小の差があまりなく、明るめの緑色が目立たない、均一な見た目のやや小ぶりな茶葉。少し日なたっぽいようなひなびた香りがします。
5グラムを熱湯で淹れます。

朝日が差し込んでるので少し明るめに映っていますが、実際にはちょうど中焙煎、くらいの茶水色です。濃香と清香の間くらいでしょうか。
杯底香にはややこってりとした甘み。熟した桃のような果実香も感じられます。保管が甘かったのかちゃんと口を閉めていなかったのか、若干の雑な香りがあるのがちょっと残念です。これは自分の怠慢ゆえですんで、実際の矮脚の持ち味では勿論ありません。

1+2煎目。杯底香で感じられたこってりとした甘みは第一印象では感じられません。2、3杯を茶杯を重ねたあたりから穏やかな甘さが口中に広がる、遅効性の甘みのようです。ややフルーティ側に振れてますが、花っぽくないというだけで果実味はそこまで顕著ではありません。
過去記事を遡ってもらえば判ると思いますが、この矮脚、あまり頻繁には登場しません。番頭の大好物の上撰矮脚と合わせてもそれほど多くはないと思います。何か劣っているという事は全くなく、むしろかなり優秀な岩茶です。小梅さんはよくお客さまに試飲でお出ししておすすめするくらいです。
一言で言うと「普通で普遍的な」美味しさ、なのですよ。書きようが無いというか、言葉で魅力が伝わりづらいタイプの美味しいお茶なので。
番頭泣かせっちゃあそうです。

3,4,5…煎を重ねて行きます。香りや甘さが突出していない分、煎を重ねても変化は大きくありません。煎落ちが穏やかだとも言えます。
最初の香りに対して、味はかなりドライです。乾いたといってもウッディよりは岩っぽいような、石垣的な硬質な味です。石垣舐めた事ないからアレですけど。
小梅さんにこの矮脚のウリを訊ねたところ、「味の厚み」という返事。ボディの強さは肉桂に似たところがあるけど、肉桂のような「どうだ!」という強さではなく、肉桂が太陽なら矮脚は月、みたいな違いがあるとの事。ううむ、やっぱ言語化するのが難しいんだな、この美味しさは。

ガブ飲みすると胃に来そうなのでザコ菓子の寄せ集めをポリポリつまみながら飲みます。
甘みや香りが主張しないお茶なので甘いものにもおかずっぽいものにも合います。
このあたりの後半の煎になると長めに置く分、少しギュっとする収斂味が出ます。それも心地良かったりします。

瑕疵もなく、かといって見応えもそれほど無い葉底。凡庸、ってのはこれまた褒め言葉ではないですが、全てにおいて弱点が無いという事の裏返しだとお考えください。

うっかり本日ここまで、って締めちゃうところでした。
お知らせを一つ。
10月12日(日曜)、13日(月/祝)に試飲会をやります。今回は(も)岩茶です。
ご案内&申し込み承りは2日木曜日の夕方7時か8時くらいにブログにて。今しばらくお待ちくださいませ。
て事であらためて本日ここまで。