
スポーツの日。以前の体育の日ですな、10月10日の。ハッピーマンデー、ってヤツでしょうか。由縁がよく判らん旗日(死語すか)が多くて。
ハッピーマンデー連休のお陰で試飲会が出来るので文句言えた筋合いは無いんですが。

生茶飲みます。今朝は頂級易昌号です。
250gのちょっと小ぶりな餅茶。今でこそ200gは勿論、100gももっと小さいものもいくらでもあります。が、この当時餅茶といえば357gが主流で、小さいサイズといえば沱茶やレンガ状の磚茶くらいで、このサイズの餅茶は多く見る事はなかったです。

2011年のお茶です。メーカーは中堅どころの昌泰茶業。千家封でも有名ですが、易武の茶葉を主に使って作られる『易昌号』は昌泰さんのフラッグシップブランドで、毎年ごとに作られています。250gもありますが、より多く市場で見かけるのは400gの餅茶です。定番の易昌号の他に「精品」や「極品」といった上位バージョンも多く出ています。頂級はそんなハイグレード版の一つです。

易昌号と、その前身とも呼べる易泰号については語り出すと長くなりそうなので項をあらためます。普洱茶の歴史あるブランドはどこか名車やギターとかカメラのブランドヒストリーにも似てなかなか面白いのですよ。

さて肝心のお茶に戻ります。
この易昌号に対する番頭の評価は正直あまり高くありませんでした。易武の茶葉らしい柔らかさはあれど、その柔らかさゆえにどこか頼りないというか物足りないというか。なのでどうしても「今日は生茶!」という時の選択肢になりにくい生茶でした。飲みやすいとかクセが無い生茶を、というお客さまには小梅さんはよくこのお茶を勧めてるくらいなので、たぶん番頭が出来たての頃の第一印象をそのまま引きずって今に至ってるだけなのでしょう。
ともあれ、ちゃんと飲むのは久しぶりです。

サクサク。思いのほか緊圧が緩やかで茶葉がほぐれながら崩せました。転化中期にさしかかった生茶葉らしく黒亮色に変化した茶葉。白毫は多めに見られます。
後に試飲会を控えてるんでそんなに長時間飲み続けるのは難しそうです。160mlの高六方壺に対して3グラムで。

オレンジがかった茶水色は大体同期の千家封や布朗明前と概ね同じくらいの変化です。空けた茶海からはまず発酵によるくぐもったほこりっぽい香り。それが治まると少しスモーキーな枯れた香り。畳と障子の和室のような落ち着くような、それでいてどこか背筋が伸びるような香りも感じられます。

柔らかいものの、その分インパクトが無いどこか優柔不断なイメージの味は、14年という歳月の中で奥行きが出来て一層の円やかさに成長したようです。ヒイラギや山椒の葉のようなピリっとした刺激もあります。アゲハの幼虫じゃないんでそれが好物って訳じゃないんですが、心地良い隠し味のようになっています。煎を通じて枯れた芝、炭っぽい野焼きのような風味が好印象でした。

後半の煎、やや温くなってから飲むと、半ば乾いてから舌の根のほうで甘みを感じ、それとともに口津感(生ツバじゅわっ)もありました。
3グラムのせいもありますが、煎の持ちはほどほど。何煎でも飲めます、って事はありませんが3グラムでも十分に楽しめます。
柔らかい手触りの美しい葉底。一枚一枚は大きくありませんが確かに上位グレードなんだろうなあという葉揃いがよい「お行儀の良い」姿です。

甘く柔らかい易武らしさにコクと奥行きが加わって美味しくなってました。よくもまあ化けたもんだ、と認識をあらたにしつつ、オノレの不明を恥じる休日の朝、でありましたとさ。