
「ここテストに出すぞー」って所がテストに出なかった事にクレームつけたら先生に「いや、そんなもんでしょ」って諭されました。いや、「テストに出るぞ」だったらまだ判るけど、「テストに出す」ってのはアナタのさじ加減ですやん…的な事を言い返したら「前々から理屈っぽいヤツだとは思ってたけど」と呆れられたりもして。
今考ると嫌な生徒だったんすね。根っこの所の理屈っぽさは未だに直ってないけど。

そんな番頭が理屈抜きに美味しいお茶を飲みます。今朝は白瑞香を。白瑞香といえば今年の花果香のが何しろ出色の出来で人気をかっさらっていますが、こちらは2023年の白瑞香。元祖、ちゃうな、いわば正統派の白瑞香はこちらの方なのですが、ついつい「じゃない方」扱いをしてしまってます。
なのでちょっと久しぶりに飲みます。
5グラムをほんのちょっとだけ湯温下げ気味で。といってもグラグラから一拍置いた、くらいですが。

30秒。やや長めで出しました。その分ちゃんと濃くなり明るいオレンジ色の茶水色。本来の白瑞香はもうちょっと淡い色です。焙煎弱め、発酵しっかりって感じではあります。

杯底香。白瑞香の見せ場です。うっとりするような花香はジンチョウゲをさらにもう一段上品にしたような強さです。ああずっと嗅いでいたい。で、ずっと嗅いでいると奥の方から「お呼びでない?」って感じに黄桃かマンゴーのようなちょっとねっとりとした果実香が顔を出します。うん、君は呼んでないけど、まあそこに座りなよ。

少し濃い目な分味ははっきりしています。それでも変な渋みや苦みは出ず、いつもの白瑞香がそのまま濃くなったような味です。口の中いっぱいに広がる花香。舌に嗅覚が備わったのか?と思うほどです。それでいてクドさが無く、どこか達観したような佇まいです。甘みはシロップとか氷砂糖のようなサラっとした透明感があります。

較べれば瞭然ですが、今年の花果香白瑞香は「果」の部分が増量されている印象。その分「花」のシェアが相対的に低くはなります。一方こちらの白瑞香は「果」が大人しい分「花」がより強く感じられます。いわば花香特化型、ですね。花果香と較べると飲む側への圧がそこまで高くない、「落ち着いた」やさしい味わいに秀でているので飲んでいて気圧される事がありません。花果香の「どうだ!」というグイグイも勿論好きですが。

以前にも書きましたが、番頭がこの白瑞香が好きなのは味や香りだけではありません。
まず淹れ易いという点。淹れ損ないが少ない、というのは小梅さんの留守中にお客さまにお茶を淹れる時に大助かりでした。加えて判りやすくやさしい花香は普段中国茶をあまり飲みつけていないお客さまや焙煎強いのはちょっと苦手、というお客さまに非常にウケが良いです。丁度番頭が留守番しているのが晩春から梅雨時くらいなのでさらりとしていて爽やかな味わいが受け入れられやすいってのも。
ともあれ、足向けて寝れないほどお世話になってるありがたい岩茶です。

ふぅ。けっこうあっという間に葉底までたどり着きました。数回お手入れを経てはいますが、まだまだ瑞々しさを感じます。
小梅さんは華やかなお茶、をお勧めする時は花果香ではなく、こちらの白瑞香をお淹れする事が多いです。「にいもんずい」(「新しもん好き」を意味する房州弁です)の番頭はついつい花果香の方ばかりを勧めたり淹れたりしがちですが、こうしてあらためて単独で飲むとこちらの白瑞香も「さすが」です。