今日のお茶は武夷岩茶「肉桂」の新茶です。
肉桂の名の通りちょっとニッキを思い出させるような甘くて強い香りの葉です。
強めの焙煎が好きなのですが、これは新茶で取れたてなので軽めの焙煎にしてもらいました。
色も少し淡めです。透明感のある水色と碗の縁の部分のツヤがなかなか良い感じです。
口に含むと二、三煎目ぐらいに喉に残る「もの」・・・説明が難しいのですが渋みとか甘みとは違う「何か」です・・・が心地よく口の中に戻ってきます。
岩韵、という言葉があります。またあらためて詳しく書きたいと思いますが、ここでは簡単に「岩の風味」とのみ書きます。この岩韵が強く感じられるのが正岩茶の条件です。この肉桂は口に含むだけでとても強い岩韵が感じられ、それがいつまでも残ります。
岩茶の中でも武夷山の山肌で栽培(まれに自生)される茶葉は大地からのパワーが葉に強く閉じこめられています。今日のお茶は武夷山でも知られた茶農の祝先生の作です。
ちょうど5月に訪れた時に新茶の茶作りが始まるところだったので、毛茶(乾燥や焙煎をする前の葉っぱです)を味見し、帰国の当日に出来上がったものを持って帰りました。
画像が祝先生です。
新茶にはまだ荒さやカドが残っています。エイジングしたもののようなトロ〜リとした濃厚さはありませんが、葉の善し悪しは鮮明に出やすいみたいです。
今年の肉桂は当たりのようです。