九份は台湾北部にある古くて小さな街です。 山肌を縫うようにつづら折りの坂道が続く高台にあります。台北から車で約一時間。かつて金鉱で栄え、そして忘れ去られた町は今では台北近郊の観光スポットです。
狭くて急な石段の左右にはおみやげ屋さんと、レトロな雰囲気の茶藝館やコーヒーショップなどが並びます。 観光地であるだけでなく、台北っ子のデートコースでもあり、また朝までお茶を飲みながら話し込んだり出来る場所でもあるようです。
ゴーストタウンと化していたこの街が台湾で脚光を浴びたのは「非情城市」という映画の舞台になってからです。撮影に使われた古い街並みは、今はお店として残されており、そういったお店でゆっくりお茶を飲む事が出来るのもこの街の魅力です。
何軒もある茶館の中でも有名な九份茶坊。全体にやや作りすぎのきらいはありますが、綺麗な店構えです。同じ台北近郊の猫空地区の茶館を意識しているような雰囲気です。
他にも茶館やカフェがいろいろ。どこも日本語のルビや看板が用意されています。日本からの観光客も近年増えているようです。宮崎アニメ「千と千尋の神隠し」の舞台のモデルになった街だそうで、その影響が大きいとか。
街の一番高いところにある展望台から望む基隆方面。夜になると山肌の道沿いに明かりが列を作り、遠く海の漁り火が見えてとても美しいそうです。案内してくれた友人も仕事でストレスが溜まると金曜の夜あたりに友達と来て朝まで過ごす事があるそうです。