茶葉の検査をしました。前回武夷山に行った時、農薬使用に対する生産者の意識がずいぶん高くなったな、と思うやりとりがいくつかありました。ちゃんとした会社や茶農さんは現地で検査機関による農薬検査をしっかり受けていますが、それだけでなく各国の農薬に対する規制や有機への取り組みというものも勉強しているようでした。
そんな中、近代的で大きな企業一社と伝統的な茶農一軒から検査を頼まれました。
茶葉200項目検査、というのをお願いしました。二軒それぞれの茶葉(検体、と呼ぶそうです)を指定された量で送り、一週間もかからずにファックスで速報が、その二日後には正式な報告書として手元に届きました。この200項目がだいたい輸入の時に検査を必要とされている項目のようです。いわゆる食品輸入のポジティブリスト制度に関連する自主検査、というものがこれですね。
二軒どちらの検体も「シロ」でした。引っかかった事項は一つもありません。検査をする、という事でわざわざ一番自信がある茶葉を出してくる、という事も考えられたので(狡いのではなく、これは人間誰にでもある心理ですね。私も健康診断の前は良い数値がでるように睡眠や食事に気をつけたりします)あえて検査用に先方が用意したものではない茶葉を送りました。結果が完璧だったから良かったものの、そうでなかったらちょっと気まずい事になるところでした。
何はともあれ一安心です。データには日本語、特にカタカナがズラっと並んでいます。このまま送っても絶対に理解できないと思い、検査をお願いした会社に相談しました。
さすがに中国語対訳は無理との事でしたが、英語の対訳表をわざわざ作成して送って下さいました。私には見ても判りません。英語→中国語は先方にお任せしました。
相次ぐ食品偽装。とうとう主食であり農作物であるお米まで、その安全性が担保出来ない状況になってしまい心が痛みます。中国産の食物の安全性を疑い、管理体制の悪さを非難してきた日本。その日本の誇る「安全神話」が今あまりに脆くも崩れようとしています。どこの国だとかの問題ではなく生産ー加工ー流通に関わる一人一人の意識が高く保てれば良いのですが。